2010年07月03日

優雅な鉄骨。

焼津旧港をぐるっとコの字に囲んでいた
かまぼこ屋根は、1953年に起工している。

なにしろ敷地面積1万5千平方メートルという規模だから、
だんだんに工事を進めていったのだと思う。

第五福竜丸が被曝して帰ってきた1954年の写真では、
西岸壁はできているが、対岸の東岸壁(海に近い方)はまだ草ぼうぼうだ。

設計は東京の、当時有名な建築事務所だったらしい。

かまぼこをポコポコと並べたように山型を連ねた屋根。
知り合いの建築家さんは、
お母さんのやわらかなオッパイのような屋根にして
過酷な海の生活から港をめざして帰ってくる漁師さんたちに
ふるさとのやすらぎを感じてほしかったのかもしれないねー、
と話していた。

ただ大きければいいみたいな物流センターとは違うのだ。
同じホネホネでも、新しい京都駅よりずっと優雅だったと思う。


*photoⓒCHIE2006
築50年を超えていたかまぼこ屋根。サビ方は相当だけれど、骨格がとにかく美しかった。
骨組みはボルトでネジネジするのではなく、団子状の溶けた金属をひょいっと下から投げ上げて接着するという、
今ではそんな難しいことなどトンデモナイ、職人さんの芸当みたいな仕事だったと聞きました。


<廊下もステキだった>・・・詳しくはまた次回*
  


Posted by kamaVOX at 12:00Comments(0)焼津カマボックス