2010年07月16日

小川国夫という巨人。

小川国夫さんの新刊『弱い神』を読んだ。

なまめかしくて一挙に引きずり込まれ、
読みすすむうちにこわい物語であることに気がついた。
土のにおいというより、地のにおい。
吉増剛造さんのいう「なめたくなるような」愛しいいのちがあった。
比べたら申し訳ないが(どちらに申し訳ないかは別にして)、
『1Q84』に大騒ぎするなら、
志太榛原の人たちには特に、こちらをぜひ読んでほしいと思う。

小川国夫という巨人。
*photo(c)相田昭

小川国夫さんにはご存命の頃、2004年のモダンアート展「いのちの黙示録」に、
作品をどうしても出していただきたくて、
ご了解をいただき、『遠い百合』の何章かを旧港の柱に掲出した。

展示を見てほしくて
車で迎えにあがりますとお電話したら、
「港のことならわかるから、タクシー使って一人で行けますよ」と
おっしゃった。

後日お会いしたときには
「僕のはモダンアートじゃないよ」と言われた。

藤枝の天王町にある喫茶店「葦」がお気に入りで、
よくお見かけした。
葦のマッチには「風と光をしのぎ 砂漠の薔薇は咲く」という小川さんが書いた文字があり、
くじけそうになると、思い出したりした。

東京では映画「デルタ 小川国夫原作オムニバス」のロードショーがはじまるらしい。

<そろそろ浴衣で>・・・詳しくはまた次回*



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